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人体自然発火

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人体自然発火(じんたいしぜんはっか)
Spontaneous human combustion(SHC)。

火の気が、まったくないにもかかわらず、人間が突如燃え上がり、体の一部分を残して骨も残さず見事に焼失してしまうという怪現象。
人体とその周辺のみが燃え、火はあたかも人間だけを狙ったかのごとく、燃焼範囲はきわめて狭い。
服は、焼け焦げの跡が残るだけか、着ていた服は燃えずに、人体のみが燃えることもある。
そして焼けた後は、不快な臭気を放ち、ねばねばした油状の物質となる。
人体自然発火現象はまだ解明されていないので、生命保険の対象外である。

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主な人体自然発火事件

1731年4月 コルネリア・バンディ婦人の例
最初の人体自然発火報告例は、1731年4月、イタリアのベローナ近郊で、コルネリア・バンディ婦人を焼き尽くした事件。
事件直後、ジェントルマンズ・マガジン誌は、SHC現場の身の毛もよだつ光景を生々しく報じている。
彼女の遺体を最初に発見したのは、婦人を起しに来たメイドであり、彼女の証言によると、その時、室内の床にはベッタリと糊状の液体がこびりつき、窓の下半分からは、黄色い液体が異臭を放って滴り落ちていた。
煤が辺り一面を覆い、焼け焦げた臭いが部屋中に広まっていたが、何故か婦人が寝ていたベッドに損傷はなく、ベッドから1.3メートルの所には、ストッキングを着けた2本の足と、脳と頭蓋骨の一部、殆ど灰になった顎と、焼け焦げた3本の指が見つかった。他の肉体は全て灰になっていた。灰を触ると、異臭のあるぎとぎとした液体が手に残った

1938年12月  ホレース・トゥルー・ニコラスの例
イギリスのミドルセックスに住むホレース・トゥルー・ニコラスの件は、他のどの事例よりも異様である。
ウィンドミル通りを歩いていたニコラスは、突然、大爆発とともにロケットのように飛び上がり隣家の煙突にたたきつけられた。
衣服は火に包まれ、髪は焼失し、履いていたゴム靴は溶けて足にくっついていた。
何としても人体自然発火を認めたくなかった検死官は、ガス漏れが原因であるとした。しかし、ガス工事の作業員がメイン・バルブを開いたが、ガス漏れは見つからなかった。結局、検死官は「事故死」として、事件の幕を引かざるを得なかった。

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1951年7月1日 メアリー・リーサーの例
1951年7月1日夕刻、アメリカ、フロリダ州セントピータースバーグ。
リチャード・リーサーが、67歳の母親メアリーのマンションにいつものように顔を出すと、母親はすでに寝巻きに着替えて、電気スタンドの明かりで読書をしていた。そしてこれが、母親の姿を見た最後となる。
翌朝、家主と作業員がメアリーの部屋に行くと、ノブが真赤に焼けていた。ただならぬ事態を悟った彼女は、道路のむこうにいた2人のペンキ職人を呼びドアを開けて入ってみると、そこには凄まじい光景が展開していた。
室内は異様な熱気と煙に包まれ、ビロードのスリッパを履いた左足と、わずかな背骨の破片、縮んだ頭蓋骨だけが残っており、あとは全て真っ黒な灰と化していた。
 時計は午後4時20分で止まり、三面鏡の鏡のうちの1枚が高熱で割れていた。ペンキ職人が、メアリーが座っていたとみられる椅子の燃えかすを片付けたところ、室内の他の部分にはほとんど損傷がなかったが、椅子の真下にあたる床の部分は焦げ、天井はすすけていた。しかし、近くにあった積まれていた古新聞には、焼けたような形跡は一切なかった。捜査官たちは、通常の炎では人体がこれほど完全に燃え尽きてしまうことはあり得ないと証言している。
全てが謎に包まれたまま、事件は幕を閉じた。この事件を担当した検死官のひとり、ペンシルバニア大学の人類学教授ウィルトン・ロッグマン博士によると、
「人体を3000℃の高熱で12時間焼いたとしても、粉々になった骨は残るが、なくなってしまうことはない」と語っている。
ここから導き出せる結論は二つ。すなわち、メアリー・リーサー夫人を焼死させた炎は、少なくとも3000℃をはるかに超える超高熱であったということ。そして、延焼範囲が極めて狭いことから、それは相当短時間のうちに消えてしまったということである。

1966年12月5日 J・アービング・ベントリーの例
1966年12月5日、ペンシルバニア州北部のクーダースポートで焼死したJ・アービング・ベントリー博士の遺体のフィルムが存在する。
現場は、膝から下を残して身体がすべて灰になってしまったにも関わらず、周囲の延焼は通常考えられないほど最小限のものであった。

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1967年9月13日 南ロンドンの男性の例
1967年9月13日、南ロンドン消防局のチャック・ステイシーほか数名の消防隊員が、イギリス、ケントのラムバースにあるオークランド通りの住人から火事の通報を受け、火災現場へ急行した時、とんでもない光景を目撃する。
現場には、遺体の腹部とその周辺が焼け爛れた男が倒れており、胃のあたりに長さ10センチくらいの裂け目があった。火元を探して消防隊員が接近したとき、あろうことか、男の腹部から青白い炎が勢いよく噴出した。あわてて彼らはホースの水をかけて消化したが、消防隊員たちは、人体が火を噴き、燃えるという信じがたい現象を確かに目の当たりにしたのだ。

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1982年8月5日 シカゴの女性の例
1982年8月5日、アメリカはシカゴ、サウスサイド・ストリートを歩いていた中年女性が、突然、炎に包まれた。
青白い炎は、彼女の全身を覆い、周囲の人たちが服で叩いて火を消そうとしても、炎の勢いはますます増していった。
女性が事切れても業火は燃えさかり、わずか数分間で彼女の体を収縮させ、完全に焼き尽くした。やっと炎が消えた時、残っていたのは歯に被せてあった金冠だけであった。
遺体を検死したロバート・ステイン医師によると、遺体にはガソリンをかけた形跡も、喫煙の痕跡もまったくない。
結局、原因不明の焼死事件として処理された。

1982年9月 ジーン・サフィンの例
1982年9月、イギリス、エドモントン。
ジーン・サフィンは母親を亡くした後から体調を崩し、妹夫婦の家で療養していた。
ある日、台所の椅子に座っていた彼女は、妹夫婦の目の前で突然苦しみだした。
その直後、驚くべきことに口から青白い火を噴き、頭部が炎上したのである。
すぐに水をかけるなどして消火され、病院に搬送されたが、治療の甲斐なく入院から8日後にジーンは息を引き取ってしまう。
義弟に話では、
「その時、ジーンは叫ぶ事も動く事もせず、ただ手を膝の上に乗せ、じっと座っていた」。
また、ジーンの髪の毛や他の部分は燃えなかったが、ナイロン製のカーディガンが燃え、顔と腕は酷い火傷で、口の中も焼けていた。
もちろん、現場には一切火の気はなかった。
ロンドン、ケンブリッジ大学化学部のジョン・エムズリー博士によれば、人体にはリンの化合物であるリフォスフィンという物質が作り出される事があり、リフォスフィンは空気に触れるだけで発火する非常に可燃性の高い物質だという。
また、フロリダ州の精神科医バートルト・シュワルツによれば、怒りや絶望といった負の精神エネルギーの影響により、肉体に思わぬ反応を起こす事があるという。
実際にジーンは、大変仲の良かった母親の死で、生きる事に前向きでなくなってしまっていたと、妹が証言している。

1989年5月、ハンガリーの例
1989年5月、ハンガリーのプタペスト郊外で、ある夫婦が激しい雷雨を抜けて、駐車場に車を停めた。夫は車外に出て、妻は中で座っていた。
するとどこからともなく、光の玉がゆっくりと近寄ってきて、突然夫の体内に入っていったかと思うと、夫は苦しみだし 、倒れてしまった。
病院で調べたところ、夫は即死状態で、外傷は無いが体内が全て焼け焦げていたそうである。

アグネス・フィリップスの例
1998年8月24日、オーストラリアのシドニー郊外の保養所から、ジャッキー・パークは、彼女の母親でアルツハイマー病を患うアグネス・フィリップスを気分転換の為にドライブへと連れ出す。
保養所を離れ1時間くらい経った頃、ジャッキーは車を道路脇に止め、アグネスを車に残したまま近くの店へと買い物に向かう。
数分後、ジャッキーが買い物を終えて車に戻ろうとした時、車から煙が上がっているのが見えた。
慌ててジャッキーは車に駆け寄ってみるとそれは、車が燃えているのではなく、アグネス自信が炎に包まれていた。
アグネスは、たまたま車の側を歩いていた通行人に車から引きずり出されて救出されたのだが、その際、彼女は炎の中で取り乱す事もなく、穏やかな様子だったという。
その後、病院に運ばれたアグネスは救急治療を受けたが、1峺紊忙猖瓦靴討靴泙Α死因は全身に渡っての重度の火傷。
後の1999年4月、検死報告が行なわれた。
事故当時、エンジンは停止しており、車内から可燃性の液体や、発火原因となりえる不完全な配線等もなく、またアグネスもジャッキーも喫煙者ではない為、タバコの不始末という事も考えられない。
その日の外の最高気温は16℃。日光による加熱が原因であるとも考えられず、現場の調査を行ったドナルド・ウォルシュ警部はとうとう火元を断定する事が出来なかった。

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現在の見解

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人体自然発火現象の説明として、現在最も有力視されている説は、人体ロウソク化現象。
人体とロウソクは、非常によく似た構造を持っている。
脂肪成分を衣服に巻き、衣服に火をつけると、その熱で衣服の中の脂肪が溶け出し、布地に染み込んでゆっくりと燃え出す。
これはロウソクのロウが芯に染みて燃えるのと同じ原理である。
条件が揃えば、同じ事が人体にも起こりうるのではないかというもの。

 では、燃焼範囲が狭く、ほとんど人体だけに限られているのはなぜなのか?

ロウソク化現象を支持する研究者はほとんど、次のような解釈をする。
SHC(人体自然発火)時の状況は、ある特殊な火災を仮定することによって、説明することが可能である。つまり、低温火災だ。
部屋が密閉された状態で火災が発生すると、酸素量が低下する。すると、炎の勢いが弱まり、低温でくすぶるような火に変わる。この場合、炎が火元を超えて延焼することはほとんどなく、周囲を燃やさずに人体だけを燃やし尽くすことが可能となる。

しかし、これで人体自然発火現象事件の全てが説明できるか、といえばそうではない。当てはまるケースはごくわずかである。
 
そもそも自分の体が燃えているのに、気づかない人はいない。
低温火災では高い温度を発生させることができない。ライターの炎くらいの温度(900℃)かそれ以下である。その状態で人体を燃やし尽くすには10時間以上もの長時間、待ち続けねばならない。それだけの時間があれば、どんな鈍感な人でも火災に気付くだろう。
そうすると、火を消そうとして暴れ回り、周囲に引火する可能性が高い。
そこで、ロウソク化現象を支持している科学者は、この矛盾点を解決するために、いくつかの条件を付加している。すなわち、被害者は心筋梗塞や脳出血などで、すでに死亡していたとするものだ。
都合のいい前提条件である。

いずれにしろ、原因不明の火が人間を焼き尽くす事件が、現在もなお起こっているのが現実である。

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参考資料

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電子レンジ列車

携帯電話使用で人体自然発火

列車内では多くの乗客が持つ携帯電話の電磁波が重なって反射し合い、その電磁波密度は国際的な安全基準値を大幅に超えうることが、東北大理学研究科の本堂毅助手(熱物理学)の研究で分かった。

列車やバスなど金属で覆われた車両は電波が外に漏れにくく、複数の携帯電話が同時に発した電磁波は重複して反射する。本堂氏は「電源がオンなら、通話中に限らない」と警告、携帯電話は通話中だけでなく待機中も、位置情報を近くの中継基地局と交換するため、電磁波を常に出している。
つまり電源をONにして待機中しているだけでも、携帯電話は電磁波を発している。
本堂氏は、車内では電磁波は一部窓から出ていくものの、多くは金属の車内壁で跳ね返ることに注目した。各車両の窓の表面積や、車両全体の体積などを考慮し、列車内に携帯電話が複数ある場合、重複と反射によって発生する平均電力密度を求める計算式を導き出した。

 仮にある車両で50人が0.4ワット(W)の電波を出す携帯電話を1台ずつ持つとすると、車両内の総出力は20W。携帯電話1台あたりの出力は最大でも2W以下と定められており、重複によって非常に強い電磁波が出力されることになる。これを計算式に当てはめると、車内の電力密度は、世界保健機関(WHO)の協力機関が定める国際基準値の数倍にも達しうることがわかった。

 ラッシュ時は1車両に約300人が乗車することや、携帯電話機器を複数台持つ人を考えると、さらに強い場合も容易に想定されるという。

 「金属の箱で電磁波を反射させる『電子レンジ』の大型版と考えれば分かりやすい。バスやエレベーターなど閉鎖空間での電磁波の影響を考慮し、予防原則を考える必要がある」と、本堂氏は話す。

『電子レンジ』は電磁波で物体内部(主に食品)の水分子を振動させることにより“熱エネルギー”を発生させている。
もし車内が『電子レンジ』の状態になるとするならば、体内の血液は沸騰し体が膨張、最終的には破裂するかもしれない。

電波環境課は
「携帯電話と、反射する壁までの距離が遠ければ電磁波強度は減衰するし、 実際に基準値を超過する事態は起こりにくいのでは」
としているが、学会誌でこのことを発表後、英国の鉄道などから本堂氏へ問い合わせが相次いでいる。はたして日本の対応はー

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