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テム・レイの憂鬱

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仕事の合間は、屋上で気をヤキモキさせます。
うまくいかない時なんかは、屋上のツツジの花を手で叩いて落として、スッキリします。
そのうち、ツツジが丸坊主になるのではないかと、小さな期待も募ります。

今日も、ツツジを落としてやろうと、ヤキモキしながら屋上に上がったのですが、
屋上で、なんとたまげてしまいました。
テム・レイがいたのです!
テム・レイとは、みなさんご存知かとは思いますが、
アムロ・レイの父の名です。(参考:『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』)
しかも、職場の屋上にいたテム・レイは、テレビの中で見たのとは打って変わって、
威張りちらしているわけでもなく、呆けているのでもなく、
なんだか、とって悲しそうでした。

きっとアムロが、テム・レイ回路(これを装着すると、ガンダムが強くなる(テム・レイ談))を
アスファルトに叩き付けて壊してしまったのを知ってしまったのでしょう。
テレビでは描かれていなかったのですが、あんな家の目と鼻の先で壊してしまっては、
見たくなくても、見つけてしまいます。

屋上のテム・レイ。
生も魂も尽きたような表情で、放っておくと死んでしまいそう。
肩に手を当て、「ガンバ」とでも、声をかけてやるのが、人情というものです。
でも・・・、私にはできません。
憧れのテム・レイに、不意にこんな所で、出会ってしまったのですもの。
足がすくんでしまって、額の汗が止まらなくって、
屋上に、ツツジなんか落としにやってきた、自分自身が愚かで、
全く動けなくなってしまいました。

心の貧しい男、中村マスオ。その人間的器量は、1デシリットルにも満ちません。

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